〇先だってムカデに早朝咬まれて上腕が赤く腫れた患者さんが受診されました。ステロイド軟膏を外用処置して、外用剤を処方して説明したところ、「娘は同じ症状で注射をしてもらった。注射をして欲しい。娘はつけ薬も飲み薬ももらっていない。」と言われました。当クリニックでは注射の治療はしていないこと、どうしても同じ治療を希望される場合には娘さんに聞いて同じ病院を受診するようにお話しました。その後再診がありませんでしたので、そのまま良くなったのか、注射を受けられたのかは不明のままです。また別のケースでは半年くらい前に水虫を心配してこられた方で顕微鏡検査で真菌要素(カビ)は見つからず、かゆみがあるのでそれほど強くないステロイドのクリームを処方しました。その時以来の受診でしたが、こちらの処方した薬でひどくなったので手持ちの別の病院でもらったお薬がよく効いたと言われました。特に問題がありませんでしたので効いたと言われる薬を今回は処方しましたが、半年前の症状を今さら言われても・・・。「前回の薬でひどくなった。」と何回も言われますので、思わず、「ひどくなったときに診せてもらわないと対応の仕様がありません。」と答えてしまいました。このようなケースは日常茶飯事ですが、なかなか双方が気持ち良く収まるように対応することができません。どのようにお応えするのが神対応なのでしょうか?!
2023/7/4
午後のパート事務員を募集しています。
業 務:窓口受付、医療事務
勤務時間:月・火・木・金 午後(14時~18時30分)
時給1000円~(経験者優遇)
試用期間あり 3か月(時給900円) [Word,Excelが使える方であれば未経験者の方も歓迎します]
その他詳細は面談の上で相談させていただきます。
<応募>電話連絡の上、履歴書ご持参ください。
松山市竹原2丁目15-33 ☎(089)915-1655
2023/6/12
2023/11/29
〇ここ何か月かで、くるみアレルギーの患者さんを2例診る機会がありました。1例目は成人女性で、くるみ、ピーナッツ、豆乳を食べると口とのどに症状が出るとのことで、血液検査をしました。RASTでは、ピーナッツ、Ara h2ともに陰性、大豆陰性、Gly m4クラス2、くるみ、Jug r1ともにクラス2でした。この結果から豆乳アレルギー、くるみアレルギーが確定できました。もう1例は、幼児でくるみを食べると直後にじんましんと嘔吐が見られるとのことでしたが、RASTではくるみクラス3、Jug r1は陰性でした。この結果からは先の例とあわせて2例とも花粉-食物アレルギーの可能性が示唆されて、今後の経過観察、再検査が必要と考えています。
〇今回のように患者さんから正確な情報を提供していただきますと効率良く検査をして正しく診断することができますし、さらに必要な検査を行うことで新たなアレルギーを見つけたり、発症を予防する手助けになる可能性があります。ところが、何の情報の提供もなく「食後にじんましんが出ることがあるので、検査をして何が原因か調べて欲しい」と食べ物のアレルギー検査(RAST)を網羅的に希望される患者さんが後を絶ちません。このような状況で検査をする場合には検診と同じ扱いで保険外診療(10割負担)となるために高額負担となるものの、実際に検査をして食物アレルギーの原因が見つかることはほとんどありません。
〇毎回同じ症状がみられる、すなわち再現性がなければ食物アレルギーではありません。従って、先ず気になる食材があってじんましん程度の症状だけで、あまり強い症状がみられないのであれば単独で試食されるのが最も確実な検査方法です。アナフィラキシーなどの全身症状がみられる場合には試食するのは危険なので今回の例のように候補となる食材を整理して検査をすることが必要となります。じんましんの場合にはアレルギー性のものは5%程度と言われており、アレルギーでないものがほとんどです。症状の経過からだいたいアレルギーかどうかの判断はできますので、食物アレルギーが心配な方は先ず皮膚科もしくはアレルギー科の専門医を受診されて相談されることをお勧めします。また、これからイネ科の花粉症が多くなる時期で、花粉-食物アレルギー症候群の症状も目立つようになります。あわせてご留意ください。
2023/6/9
〇近日配布されますリビングまつやま6月2日号のカラダの健康コーナーにタイトル「アトピー性皮膚炎の新規治療」で寄稿しています。是非ご覧ください。
2023/5/29
〇ある時旅先でお薬がなくなったということでアトピーの患者さんが来院されました。地元にかかりつけの皮膚科医はいるが、顔の皮疹が特に目立つので治療をして欲しいとのことでした。顔の皮疹だけでも重症アトピーが想像できましたが、かかりつけの皮膚科医もいて、旅先(短期の滞在)ということで全身の皮疹は確認しませんでした。最終的には顔の症状を抑えるためにステロイド外用剤を処方しましたが、診察中には「ステロイドの注射をしてください」と言われました。お話をよく聞いてみますと、かかりつけ医ではステロイドの内服を続けていて、症状が目立つときにはさらに注射をしてもらっていたようです。ステロイドの内服、注射は標準的な治療ではないこと、こちらではステロイドの注射はできないことを説明しました。ステロイドの全身投与に至ったいきさつを含めて症状の経過もよくわかりませんので、地元に戻られてかかりつけ医に相談するよう話しました。
〇このように元々かかりつけの皮膚科医がいながら、いろいろな事情で受診していただく場合がよくあります。その多くはすぐにかかりつけ医に戻られますので、基本的には細かくお話を聞いたり、全身をくまなく観察することはありません。症状がかなりひどい場合でも通常はかかりつけ医に次回受診するまでのつなぎの治療になることがほとんどです。ところが、このような患者さんの中にもセカンドオピニオンを求めて受診されたり、転医を念頭において来院される方もいらっしゃいます。すべての患者さんに対して分け隔てなく丁寧に診察するのが理想ですが、定期的にかかりつけ医として受診していただいている患者さんと元々別に主治医がいる患者さんや再診がほとんど見込めない方には自ずと違った対応をしてしまいがちです。診察中に疑問や納得できないこと、ご要望がおありの場合にはご遠慮なくお申し出いただければできる範囲内でお応えさせていただきます。
2023/5/18