受診される方へ

受診される方へ:診察にあたってのお願い

1.症状を確認させてください。

皮膚科の診察は皮疹を診て、(必要に応じて)触れて診断します。そのため皮疹を確認しないで(見ないで)治療することはできません。服で隠れた部位の皮疹はその都度露出し診せていただきますようお願いします。皮疹が広範囲に及ぶとき、全身への拡がりを確認する必要がある場合には全身の皮膚を観察しなければなりません。顔の皮疹は化粧をされていると症状の確認ができませんので診察の際にはお化粧を落として受診されるようお願いします。また、じんましんでは症状が出たり、引いたりしますので診察時には皮疹が出ていない場合もあります。皮疹を写真に撮って診察時にご提示いただきますと大変役に立ちます。また、かかりつけの皮膚科にいろいろな事情で行けない時に「お薬だけください」と言って受診される方がいらっしゃいますが、ドラッグストアとは違って無診察で治療を行なう(処方する)ことはできませんのでご理解いただきますようよろしくお願いします。

2.受診までの情報提供をお願いします。

過去に治療歴、検査歴のある方はお薬手帳および検査データのご持参をお願いします。「後医は名医」という言葉もあるように情報が多いほど適切な診断・治療につながります。過去の治療(経過)や検査を伏せて受診されますと正しい診断・治療が難しくなり、 場合によっては誤診にもつながります。久しぶりに再診される時その間に他医を受診されている場合でも、また市販のお薬を使っている場合でも、状況、内容に関わらずお気遣いなくすべての情報をお伝えください(問診票にご記入ください)。

3.気になることはご遠慮なくお申し出ください。

病状や治療の説明は疾患によって初診時に丁寧に説明したり、再診を繰り返して見極めながらその都度説明したりします。同じ患者さんでも初診か再診か、治療前か治療後か、経過の具合によって、同じ疾患でも患者さんによって、その都度説明する内容や治療は異なります。また再診時に経過が良好なもの、過去に見られた症状が同じように現れている場合、過去に一度丁寧に説明したことがある場合には短時間で診察(説明)が終わることもあります。そのため患者さんによっては説明が足りないとか、疑問が十分に解決されていないと思われるケースも出てきます。そのような場合にはいつでもご遠慮なくお申し出ください。改めて説明させていただきます。

4.治療経過が良くないとき:早めの再診のお願い

こちらの説明と経過が異なる場合、症状が悪化している場合、どうなっているのかよく分からない場合にはお早目に再診してください。しばらく経ってから前の治療で良くならなかったと言って再診される方がいらっしゃいます。ほとんどの場合、治療がきちんとされていたのかどうか、一度治っていたのかどうか、その間に他医を受診されていたのかどうか、きちんとお伝えいただくことはありません。誤診している場合、治療の副作用の場合、治療が不十分な場合、途中経過の(実際には軽快している)場合など様々な状況が考えられます。特に悪化している場合にはそのまま治療を続けるとさらに悪化してしまう可能性がありますし、実際に再診されて、特に問題なくても全然構いませんのでご心配な場合にはためらわず受診してください。
尚、どうしても心配で他医を受診される場合にはこちらの治療内容と経過をきちんとお伝えください。

5.逆インフォームドコンセントのお願い

再診時に症状が多少なりとも良くなっているのにもかかわらず、患者さんから「変わらない」とか、「悪くなっている」とか言われることがあります。患者さんは治療で速やかに元の皮膚の状態に治ることをイメージされていますので、このようなギャップは治療の途中経過ではしばしば見られます。また、初診時にいきなり「この薬をください」とか、再診時に唐突に「(こちらが処方したことのない)この薬に替えてください」とか言われることがあります。明らかにその薬が効果のある場合はそちらを処方したり、そちらに変更したりしますが、なかには明らかに効能が適切でない薬であったり、こちらの処方した薬の方が効果的と思われる場合があります。それとよくあるのは、「(前の皮膚科でもらっていた)保湿剤だけ出してください」と言われるケースです。このような場合乾燥症状が確認できれば保湿剤を処方しますが、湿しんであれば(保湿剤ではなく)ステロイド外用剤が必要となりますし、乾燥症状がなければ保湿剤は必要ありません。ちなみに初診時から保湿剤だけを処方し続けることは通常はありません。保険診療は疾患の治療ですので、スキンケアのみであれば保険の対象にはなりませんのでご留意ください。いずれにせよ、これらのすべてのケースにあてはまりますが、こちらが納得(確認)すれば、ご要望通りに治療を行なったり、治療を変えたりさせていただきます。しかし、納得(確認)できない場合にはこちらが提案させていただく治療を行なっていただきますようお願いします。それでも患者さんご自身が「どうしても納得がいかない」という場合にはセカンドオピニオンで他医を受診されるか、以前に処方してもらった皮膚科で再度治療を続けられることをお勧めします。


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