古豪復活の狼煙

今年の春の高校野球四国大会に松山商業が出場し、明徳義塾に1点差で惜敗したのを受けて夏の甲子園大会出場を期待していました。三沢高校との延長再試合、桑田選手清原選手のPL学園との名勝負、水口選手の大会最多安打が印象に残る準優勝、奇跡のバックホームの熊本工業戦など数々の好試合が記憶に残っています。気まぐれ随想録の復活にあわせてこのタイトルを掲載するつもりでした。そうこうするうちに夏になり、第3シードで迎えた愛媛県大会では初戦敗退と残念な結果に終わり掲載する機会を逃してしまいました。時は流れて秋の県大会で松山商業が優勝しました。これから秋の四国大会があるので、甲子園への道のりはまだまだ険しいですが、本当に古豪復活の狼煙を上げてもらいたいものです。お隣の県の高松商業は一足早く古豪復活を果たし、我がジャイアンツにもドラフト1位で浅野選手が入団しており活躍が期待されています。愛媛FCのJ3優勝、J2復帰と共に心から願っています。

2023/10/3

アトピー便り111:医師のコミュ力

少し前の話ですが、半年ぶりに重症のアトピー性皮膚炎受診された患者さんが再診されました。初診時は1週間分の外用剤を処方して再診時の皮疹の状況で治療を変更する予定でした。今回の皮疹も中等症以上の症状でコントロールは不良でした。元々他の皮膚科を受診されてはいましたが、皮疹の状態と処方量を考えて、治療が足りない旨を一方的にお話していました。しかしどう考えてもその時の皮疹は、当クリニックの半年前の1回分の処方量だけでは有りえないのでお話をよく伺ったところ主治医が別にいて予約がとれないのでこちらに来たとのことでした。それを伺って、それ以上の説明は止めて次に主治医にかかるまでの少量のみ処方しました。確認はしていませんが、初診時も同じような感じで受診されていたのかもしれません。その後再診はもちろんありません。このようなケースは日常茶飯事ですが、これを機会に主治医を変えたい、セカンドオピニオンを求めたいといった患者さんにおかれましては診察時にその旨お伝えください。改めてお話、ご説明させていただきます。
首まわりにあせもをこじらせたような紅斑で受診された患者さんに弱いステロイドの外用剤を処方しようとしましたが、小さいころにステロイド外用剤を使っていてその蓄積で肘の前に色素沈着が残っているのでステロイドを使いたくないとのことでした。幼少期にアトピー性皮膚炎があったものと推測されますが、ステロイド外用剤の不適切使用による典型的なステロイド忌避のケースでした。一方的にステロイド以外の薬を強く希望されましたので、条件反射的に現在の皮疹に対してはステロイド以外には治療薬はないとお答えしてしまいました。その上で色素沈着がステロイドによって起こったというのは誤解である可能性が高いこと、ステロイドを最初に使ってその後の状況でステロイド以外の薬に変更したりする旨を説明しました。結局ステロイドを使うのであれば、治療はしなくていいとのことで、受診自体をキャンセルしました。後から振り返れば、あせもの症状だけであれば何もしなくても症状が軽快する可能性もありますし、あせものよりで感染を起こしかけている場合にはステロイドの外用で悪化する可能性もあり、抗生物質の外用剤でひとまず様子をみるという選択肢もあったのかもしれません。
二例とも医師側の対応如何によっては違った診療結果になっていたかもしれません。当方のコミュニケーション力、咄嗟の判断能力、冷静さの不足を痛感させられた出来事でした。

2023/10/2

平日の予約受付をご利用ください。

本日は多くの患者さんにご来院いただきました。初診の患者さんを含めていつも定期的に来院されている患者さんにおかれましても待ち時間が長くなってしまい申し訳ございませんでした。先週と来週の土曜日が休診のため今週の土曜日に患者さんが集中されたものと考えています。土曜日はこのように患者さんが非常に混み合うことがたまにありますので、ご容赦ください。尚、土曜日しか時間のとれない患者さんで待ち時間が長いとお困りの再診患者さんは、(平日は通常待ち時間はあまりありませんが)時間予約をいただければ確実に待ち時間がほとんどなく済みますのでご遠慮なく受付にお申し出ください。電話予約も前日まで受け付けていますのでご利用ください。尚、現時点では初診患者さんの予約診療は行なっておりませんのでご了承ください。

2023/9/30

アトピー便り110:最近アレルギーの診断に至った2例

最近アレルギーの診断に至った小児2例を紹介します。1例目は、乗馬の後だけ目のまわりにじんましんが出るということで血液検査をしたところ、ウマ皮屑陽性、イネ科(マルチアレルゲン)陰性の結果よりウマアレルギーが確定しました。2例目は、リンゴ、モモを食べた後にのどがイガイガするとのことでリンゴ、モモのアレルギーを疑い血液検査をしたところ、リンゴ、モモともに陽性でした。リンゴ、モモによる口腔アレルギー症候群でしたが、花粉-食物アレルギー症候群によるものを疑い、後日追加検査をしたところ、はんのき、しらかんば、ぶたくさ、Gly m 4(豆乳)陽性で診断は確定されました。スギ花粉症は自覚症状もありましたし、検査でも一番高値を示していました。スギ花粉症の時期とはんのき花粉症の時期は被りますのでしばしば見落とされがちです。生活習慣、行動状況からはんのき花粉症からリンゴ、モモのアレルギーが誘発されたものと考えられました。このように2例ともに患者さんからの情報に基づいて検査をして診断に至りました。アレルギーの診断に至るほとんどのケースはこのように患者さんからの正確な情報に基づくもので、やみくもに検査をして有意義なアレルギーがたまたま見つかることは先ずありません。夏から秋にかけてはイネ科、雑草の花粉症が見られる時期ですので、それに伴ってメロン・すいかなどのアレルギー(食べた直後にのどがイガイガする)が見られることもあります。何はともあれ「アレルギー検査をしてください」ではなく、アレルギーが心配になる理由、具体的な症状・経過をお話いただいてその情報をもとに検査をすれば有意義なアレルギーが見つかるかもしれません。

2023/9/1

アトピー便り109:治らないときはすぐに受診を

1年くらい前に顔面の皮疹で来られていた患者さんが久しぶりに来られて同部位の湿しん病変(前回とは少し違う?)に対して以前処方した外用剤を出しておきますと言ったところ、前の薬は効かなかったと言われ処方を拒否されました。実際のところ効いたか効いていないかは再診していただいたわけではありませんのできちんと確認できていません。見た目はどう見ても外的な刺激による皮膚炎で、その旨説明しましたが、患者さん自身は思い当たるものがない、ありえないとのことでけんもほろろに却下されました。効かなかった薬について患者さんもこちらで処方していない外用剤のことを言っていましたので、別の皮膚科を受診していた可能性もありますが、いずれにせよ効かなかったの一点張りでした。そこで、「見立ては変わらないので前回と同じ薬を出すしかありません。効かないのであればそのままみてください。」とつい言ってしまいました。当然「治らないのにそのままで良いのですか?」となりました。そこで、「こちらの見立ては外的刺激による皮膚炎しか考えつきません。外用剤は炎症を抑えるだけで、原因が取り除かれなければ治りません。また治療で良くなっても色素沈着は残ってすぐには元の皮膚に戻りません。治療をして症状が改善しているかどうかはその時点でこちらが確認しなければわかりません。今のお話に納得いただけない場合には他の皮膚科でセカンドオピニオンを受けられることをお勧めします。違う見立てがあって違う治療をしてもらえるかもしれません。」とお話しました。納得はされていませんでしたが、一応先の処方薬で様子を見ることになりました。ちなみに今回も再診は今のところありません。
患者さんは短期間の治療で症状が完治して、再発しないのをイメージして皮膚科を受診されます。皮膚科医は外用剤を塗って炎症の後遺症(ステロイドの後遺症ではありません!!)で皮膚が茶色くなれば良くなった、治ったと考えますが、患者さんの多くは元通りにきれいな皮膚になるまでは治ったとは思われません。一方で皮膚科医は、原因対策をしないで外用剤を塗っているだけであれば根治療法ではなく対症療法なので再発しても仕方ない、塗らなければ症状は出続けると思っています。そのため皮膚の症状があまり良くなっていなくても、患者さんには特別に説明もせずにしっかりと薬を塗り続けましょうと繰り返し指示しがちです。このような患者さんと医師側の認識のずれはよくありますので、治療をしても治らない、悪くなったと思われるときはすぐに前医を受診してください。特に診察時に信頼できそうにない、相性が悪い、癇に障ると感じてしまった場合得てしてすぐに他医を受診しがちですが、もう一度だけ受診してみてください。たまに当クリニックでも他の皮膚科で良くならなかったためこちらに来られる方がいらっしゃいますが、元の皮疹の状態、前医での治療内容、検査結果、症状の経過など詳細が分からない場合には却ってマイナスになることが多く得策ではありません。良くなっているかどうかの見極め、見立てが違っている場合の対応、今後の経過、治療方針の説明などを踏まえて、直接気になることを聞いて患者さんご自身が納得できない場合には転医をお勧めします。ただし、その前にステロイド忌避などで医師の説明に聞く耳を持たなかったり、「水虫だ」「アレルギーだ」「検査をしたい」などと自己判断でご自分の意見を一方的に主張されたりしている場合、また医師に対してイラッとする気持ちがどうしても態度に出てしまう方もいらっしゃいますが、一度は医師の説明に心穏やかに耳を傾けてみてください。それでも変わらず納得できない、癇に障る場合は速やかに転医してください。

2023/8/4

 

 


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