アトピー便り07:夏場のアトピーについて

 多くのアトピー患者さんは汗でかゆくなり、引っかいてしまい症状が悪化しがちです。特に幼小児では水いぼ、とびひが多くみられる時期ですが、アトピーの子どもさんは皮膚のバリア機能が弱いため水いぼやとびひにもかかりやすく、重症化しやすい傾向にあります。シャワーなどの汗のケアと早めのアトピーの治療を同時に行うことがとても大事です。

 尚、掻きこわしがひどい場合にはアトピーが悪くなっただけなのか、とびひや単純ヘルペスなどの感染が起こっているのか、簡単には区別ができません。このような場合には治療を行って経過を見ながら診断をしていきます。従って、良くならないからと再診することなく皮膚科を転々とすることは却って症状の悪化を招くことになりますのでご注意ください。

 アトピー患者さんにとっては乾燥で症状が悪化する冬とともに夏はつらい時期ですが、汗対策、紫外線対策を十分に行って、しばらく続きそうな猛暑を乗り切りましょう。

2010/8/18

サッカーワールドカップを終えて

 夜中の3時30分から観戦した日本対デンマーク戦と決勝のスペイン対オランダ戦は共に目覚まし時計で頑張って起きた甲斐のある試合で十分堪能しました。日本戦は先ず勝ったことに満足し、最後までパスサッカーを貫き通したスペインのスタイルには感銘を受けました。
 中村俊輔選手が活躍できなかったことだけは残念でしたが、大会直前の短期間で中村選手を中心としたチームから本田選手中心のチームに切り替わったため仕方ありません。今回の戦い方では中村選手と本田選手の共存は難しかったようですが、今後スペインのようなサッカーを目指すなら中村選手のような技術と経験・実績に優れたプレーヤーは不可欠です。
 ところで、マスコミの日本代表と岡田監督に対する扱いの豹変ぶりにはあきれています。実力が上の相手が集中して試合に臨めば勝つことは困難で、負けることは大したことではありません。強豪のチームと事前に数多く試合をしていろいろ準備ができたことが今回の成果につながったものと思われます。マスコミは試合結果だけに反応しすぎているように思われます。今大会のフランスの例を見るまでもなく、戦う姿勢やチームワークがなければ強いチームですら良い成績をあげることはできません。実際に今回の日本代表も諸般の事情によって結果的にチームが一丸となって最後まで戦い抜いたことが大幅なチーム力アップにつながりました。

2010/7/14

アトピー便り06:当クリニックでの近況について

 梅雨明けも間近となってきましたが、汗のために症状が悪化する方が多くみられています。小児では汗でかゆくなり掻きこわしてしまうため、とびひやみずいぼが一気に拡がってしまうことも珍しくありません。アトピーの症状をきちんとコントロールすることがとびひや水いぼの悪化を防ぐことにもなりますので早めの治療を心がけてください。

 アトピーの患者さんやご家族の方から診察時にいろいろご質問を受けることがありますが、夏の比較的患者さんが多い時期にはご納得いただくまで十分に時間をとって説明できない場合も出てきます。特に土曜日の診療時間に患者さんが集中する傾向にありますので、平日に受診いただくか、ご希望の方には随時アトピー勉強会を行ないますのでお申し出ください。

2010/7/14 

頑張れ!高橋

 男子フィギュアスケートの高橋大輔選手、バンクーバー五輪では4回転ジャンプにこだわり、転倒から立ち直っての銀メダル、トリノ世界選手権では4回転ジャンプを見事に成功させての金メダル、誠にあっばれです。
 もう一人今年大いに期待する高橋がいます。巨人の高橋由伸選手です。昨年は怪我に泣き、一打席のみの出場に終わり、選手生命をかけて手術に踏み切りました。今季オープン戦は好調で、開幕戦でも好スタートを切り、一年を通しての活躍を期待しています。二枚目の垢ぬけた風貌からは想像のできないハッスルプレイ、好投手からもたびたび勝負を決する一発を放ち、個人的に大好きな選手です。天才、無冠の帝王などと言われ続けていましたが、2007年にはあと一歩のところでホームラン王のタイトルを逃しました。今年は怪我からの復活に止まらず、タイトルを獲って、記憶のみならず、記録にも残る選手になって欲しいものです。

2010/3/29

アトピー便り05:二つの学会に参加して

 アトピー性皮膚炎治療研究会の今回のテーマは漢方治療についてでしたが、漢方については学術的な解析もどんどん進んできているようです。
 同じ漢方でも同じ病気の患者さんに使っても効き具合が違い、患者さんの体質によって使い分けが必要であることはよく知られています。アトピー性皮膚炎の漢方治療ではそれ以外にもストレスや性格などの心因的要素が関与して治療効果に差が出るとのことで使いこなすのは難しそうです。心因的要素がアトピー性皮膚炎の症状の悪化に関与していることは実際の臨床でもしばしば経験しており、そのことを違った角度から証明しているものと思われました。
 食物アレルギー研究会は小児科の医師を中心にした会ですが、食物アレルギーの関与するアトピー性皮膚炎について(研究会としての)具体的な対応、現状を知りたいと思い参加しました。ごく一部には検査に基づく厳格な食事制限を強調する昔ながらの考えの方も見受けられましたが、一昔前とは異なりおおむね皮膚科との違いもほとんどなく、アウェー感を味わうこともありませんでした。「先ずスキンケアと薬物療法を十分に行い、改善されない場合に必要最低限の食事制限を行う」といったもので、今まで通りの治療を続けていくので良いと意を強くしました。

2010/2/26


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