アトピー便り

アトピー便り05:二つの学会に参加して

 アトピー性皮膚炎治療研究会の今回のテーマは漢方治療についてでしたが、漢方については学術的な解析もどんどん進んできているようです。
 同じ漢方でも同じ病気の患者さんに使っても効き具合が違い、患者さんの体質によって使い分けが必要であることはよく知られています。アトピー性皮膚炎の漢方治療ではそれ以外にもストレスや性格などの心因的要素が関与して治療効果に差が出るとのことで使いこなすのは難しそうです。心因的要素がアトピー性皮膚炎の症状の悪化に関与していることは実際の臨床でもしばしば経験しており、そのことを違った角度から証明しているものと思われました。
 食物アレルギー研究会は小児科の医師を中心にした会ですが、食物アレルギーの関与するアトピー性皮膚炎について(研究会としての)具体的な対応、現状を知りたいと思い参加しました。ごく一部には検査に基づく厳格な食事制限を強調する昔ながらの考えの方も見受けられましたが、一昔前とは異なりおおむね皮膚科との違いもほとんどなく、アウェー感を味わうこともありませんでした。「先ずスキンケアと薬物療法を十分に行い、改善されない場合に必要最低限の食事制限を行う」といったもので、今まで通りの治療を続けていくので良いと意を強くしました。

2010/2/26


外来診療の概要

  • 治療指針
  • 主な診療の現状
クリニック・ドクターについての情報はこちら