アトピー便り

アトピー便り121:水いぼの治療について

酷暑により日光による皮膚のトラブルが一時目立っていました。患者さんに日光が原因だろうと説明しても、今までこんな症状は出たことが無いのでそれは違うと否定されることも何度かありました。今までないからこれからも無いということは、患者さん自身の体質が(生活習慣の変化、アレルギーの感作、感染症の既往、病気の罹患などにより)変わったり、老化がみられたりするので、皮膚病に限らずすべての病気において当てはまりません。そして何よりも今年は例年(通常)とは違う、過去にほとんど経験したことの無い暑さ、日光の強さがありますので、今までとは違うということを説明しています。

プールの時期になると水いぼの子どもの受診が多くなります。最近は水いぼがあっても泳げるケースが増えてきたためか、受診される子どもは以前よりも減ってきている感じはします。水いぼの治療で戸惑うのは、アトピー性皮膚炎など元々の皮膚病は別に主治医がいながら、水いぼの治療だけを当クリニックでして欲しいというケースです。水いぼの治療はピンセットで患部を摘まみとりますが、痛い上に血も出ますので子どもさんにとっては耐えがたく、乳幼児の場合通常は泣き叫んだり暴れたりします。痛い治療を一度でもすれば子どもさんには当然嫌われますし、次回からは敬遠されます。治療自体は1回で終わることはほとんど無く、免疫ができるまでは何度でも再発します。子どもさんに嫌われる汚れ役のためだけにこちらに来られるのは止めていただきたいと心から思います。水いぼの治療も主治医にしてもらいたいものです。尚、当クリニックでは治療に先だってペンレステープⓇを使うこともありますので、主治医が使っていないためにこちらに来られる場合もあります。小さな子どもさんはテープを使っても怖がったり、痛がったりしますし、テープを貼って1時間後に治療をしますので比較的混み合う土曜日や終業間近の時間帯には除痛のためのテープを貼る治療は行なっていませんのでご了承ください。

(蛇足)以前に手荒れで他医でもらっていた外用剤が効かないということで当クリニックを受診し、別の強い薬を処方していた患者さんが数か月ぶりに再診されました。元の外用剤の方が良く効くとのことで処方を希望されましたが、一度も再診なく経過を確認できていませんでした。こちらで治療した時期だけ症状がひどかった(悪化因子があった)、こちらの薬でかぶれた、あるいはどちらも同じように効いた、どちらも同じように効かなかったというのであれば理解できますが、元の外用剤の方が良く効くというのは有り得ませんので、こちらで処方していた薬をもう一度出しました。それに加えて足の裏のがさがさの薬(他医でもらっていた尿素)を出してくれとのことでしたので処方しました。結局のところ、事の顛末からは信頼できる他医(主治医)が混み合っていて、こちらに来られたのだろうと推測しました。間違ってたらゴメンナサイ。夏場になるとこのようなケースが特に多くなり、(来ていただけるだけでありがたいのですが、)どうしても内容によっては義憤に駆られてしまうこともあります。極力表情や態度に出さないように心がけてはいますが、当方はコミュニケーション力が低いので、もし出ている場合は(ちょくちょく出ているかもしれませんが)何卒ご容赦ください。

2024/8/8

 

 

 


外来診療の概要

  • 治療指針
  • 主な診療の現状
クリニック・ドクターについての情報はこちら