〇水ぼうそうは通常は再感染はなく、2回目の発症は帯状疱疹になります。ところが、高齢者を中心に免疫不全の方ではたまに水ぼうそうが再感染することがあります。最近幼少期に水ぼうそうになったことのある、全身に皮疹がみられる若い患者さんを診察する機会がありました。他医では単純ヘルペスの診断を受けて治療を受けていましたが、皮疹はどう見ても水ぼうそうでした。正直なところ水ぼうそうの再感染は念頭になく、水ぼうそうの初感染ではないかと考えていました。以前の水ぼうそうはもしかしたら手足口病など、他のウイルスによる感染症の症状でないかと思っていました。水ぼうそうかどうかを確定する目的で血液検査(水痘・帯状疱疹ウイルスIgM,IgG抗体)を行ないましたが、その結果は水ぼうそうの初感染ではなく、再感染を示唆するものでした。若い人の水ぼうそうの再感染は極めてまれですが、一度水ぼうそうにかかった後に水ぼうそうの感染者(多くは小児)に触れることなく長期間過ぎますと、ブースター効果が表れずに健常な(免疫不全のない)人でも水ぼうそうに再感染することがありますのでご注意ください。
2023/1/13