アトピー便り

アトピー便り94:ケースバイケース

最近ピーナッツアレルギーの小児を診る機会がありました。お母さんのお話がとても正確であったため、血液検査でRAST(Ara h 2)を調べて診断を確定できました。一方で、花粉-食物アレルギー症候群が疑われる成人の方で関連項目の血液検査をしましたが、すべて陰性でした。症状(問診)に関係なく行う検査は保険外で自費となりますが、症状(問診)をもとに行なう検査は保険診療となるので患者さんのお話にはどうしてもバイアスがかかりがちです。
また、サケのおにぎりを食べて数時間後に蕁麻疹がみられたケースもありましたが、患者さんにはアニサキスアレルギーの可能性を説明しました。このような場合にはこちらとしては検査をしたいのですが、費用もかかりますし、患者さんからはご要望もなく経過観察となりました。
アレルギー診療は患者さんごとで異なりますが、共通して最も大事なのは患者さんから得られる正確な情報です。アレルギーはアレルゲンと症状の因果関係、症状の再現性が重要となりますので、食事内容、食材を含めてすべての事象をメモして診察時にご持参いただくと診断の手助けとなります。アレルギーが疑われる場合には詳細な問診が必要となり、診察時間がかかりますのでアレルギーで皮膚科を受診される患者さんは診察終了時間間際の受診を控えられることをお勧めします。

2022/4/28


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