◯先だって症状の強いアトピー性皮膚炎の幼児で血液検査を行なったところ、IgE(RIST)、TARCが異常高値であるにもかかわらず、検査した4項目( ハウスダスト、ダニ、ピティロスポリウム、黄色ブドウ球菌)のRASTの数値がそれほど高くなかったため、RISTの異常高値の原因となっているアレルゲンを検索すべくView39を調べました。その結果、ミルクは強陽性ではあったものの、卵、小麦、大豆、甲殻類など主な食物アレルギーに関するものは正常値でした。ところが、豚肉、牛肉、ネコ、イヌで強陽性であったことからpork-cat syndrome(の予備軍)が疑われました。実際に犬を飼っていて、隣家には猫がいることも確認できましたが、これまでは(加熱した)豚肉、牛肉に関してはアレルギーの症状が出たことはありませんでした。尚、乳製品によるアレルギー症状も見られていません。今後のフォローを考えて、再度RAST を測定しましたが、イヌ(クラス6)、ネコ(クラス4)、豚肉(クラス4)、牛肉(クラス3)でした。
◯当初はステロイドの外用でなかなか良くならなかったアトピー性皮膚炎の症状も犬を飼わなくなってから軽快しています。
◯pork-cat syndromeは発症年齢が10歳以降のことが多いのですが、最近6歳の報告例が見られたり、今回の予備軍のケース(たまたま検査から判明)からもわかるように、(不定期に訪れる犬、猫のペットブームのさなか)アトピー性皮膚炎としてのみ治療されていて、意外と気づかれずにいることが少なくないのかもしれません。
2020/10/19