〇卵アレルギーといえば、小児の病気、重症の場合に限り小児期から継続することはあっても大人で起こることはないと思っていました。ところが、先だって出席した日本皮膚免疫アレルギー学会のシンポジウムで、セキセイインコなどの鳥類を飼っている間に羽根や糞に気道感作されて、卵黄摂取後にアナフィラキシーを起こすbird-egg syndromeという病気の存在を知って驚きました。
〇長年セキセイインコを飼っている状況で、通常の卵アレルギーのアレルゲンである卵白ではなく、卵黄が原因で起こること、セキセイインコを飼わないで過ごすと治る可能性があるとのことでした。実際の症例では鶏肉アレルギーも見られ、セキセイインコが亡くなってから症状がみられなくなったことが紹介されていました。
〇卵を食べると調子が悪くなるとのことで卵アレルギーを心配して受診される患者さんが時々にいらっしゃいますが、再現性、即時性がみられないことからその可能性がない旨をその都度説明をしてきました。しかも大人で発症する卵アレルギーはないことを前提にお話していました。これからの診療では大人の卵アレルギーもありうるという前提で鳥の飼育歴については最低限チェックしなければならないと思いました。
2019/12/3