アトピー便り

アトピー便り61:突然のまぶたの腫れ

今回はアトピーとは関係ないお話ですが、先日NHKの「ためしてガッテン」にも出演されていた千貫祐子先生のご講演を直接拝聴する機会があり、普段の診療にも活かさなければならないと思った情報がありましたのでご紹介させていただきます。
まぶたが突然腫れて(かゆくなって)、しばらくするとその腫れ(かゆみ)がひくという症状の患者さんを当クリニックでも何人か診察したことがありましたが、いずれも思い当たる直接原因はなく経過観察としていました。その後の受診はなく、原因不明のままです。その場合最も考えなければならないものとして、まぶたを介して花粉症のアレルギーが成立した後に花粉症の症状ではなく、その花粉と構造の似た成分の食べ物(特にフルーツ)を食べた直後にまぶたが腫れる(かゆくなる)というパターンです。かつての悠香の茶のしずく石けんで起こった小麦アレルギーのパターンによく似ています。まぶたの腫れ(かゆみ)は一過性でスギ花粉皮膚炎などの湿しんとは異なり、いずれ自然に消えますし、直接まぶたに何か塗ったり、刺激があったわけではありませんので原因は見落とされがちになります。花粉症の時期であれば花粉症と関連して食物アレルギーを疑うことも時にはあるのですが、花粉の飛んでいない時期には前述の食べ物によって起こるアレルギーの症状も軽いことが多く、その診断にはアレルギー自体を念頭に置いて詳細に問診することが必要となります。
もし原因不明で、食後に出現する一過性のまぶたの腫れ(かゆみ)を起こしたことのある患者さんは一度皮膚科の主治医を受診してみてください。診察時にまぶたの腫れ(かゆみ)がない場合でも花粉症の症状が確認できて、まぶたの腫れを写真に記録してある場合には保険診療で血液検査をして原因を検索することができます。尚、診察時にまぶたの腫れ(かゆみ)も花粉症の症状も確認できなくて、まぶたの腫れの写真などの記録もない場合には検診と同じで全額自己負担になりますのでご注意ください。
尚、今後もアトピーとは関係のないアレルギーの情報も適宜このアトピー便りで提供させていただきますので宜しくお願い致します。

2018/2/21


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