〇アトピー性皮膚炎の症状は汗で悪化する患者さんと皮膚の乾燥が落ち着いて症状があまり目立たない患者さんとに分かれがちです。症状に応じて治療を継続してください。症状が比較的落ち着いていても治療を完全に止めてしまうと悪化することが多いので、ステロイド外用剤の量を少しずつ減らしたり、ランクを下げたり、非ステロイドの外用剤に変更したりして治療は続けましょう。夏場でも必要な方は保湿剤を併用してください。尚、保湿剤を使いすぎるとあせもができやすくなりますのでご注意ください。
〇花粉-食物アレルギー症候群の患者さんはイネ科、雑草のアレルギー症状が目立つ時期ですが、フルーツなどを食べた直後に口の中やのどに一時的に違和感も出ます。このような症状に心当たりのある方は、検査で診断が確定できる疾患の一つですので耳鼻科、アレルギー科でご相談ください。
(蛇足)先だって外来終了時間直前に口びるの荒れで受診された患者さんに対して接触口唇炎を考えてステロイド外用剤を処方しました。前の病院の薬で悪化して、以後治らずにずっと続いているとのことでした。一部水ぶくれ様、ヘルペスの可能性もありましたが、再診のうえで見極めできればと思いました。受診された時間の関係上詳細な問診(経過・治療歴など)はできていません。患者さん自身にも改めてきちんと診察できる時間帯に再診していただくように話しました。このようなケースでは良くなれば再診されませんし、悪化すれば他の皮膚科に行かれることが多いのですが、よくあるパターンで忘れた頃に再診されて前のこちらの治療では良くならなかったと言われることだけは止めてもらいたいものです。
2024/9/1