〇強い日差しのもと、日光、汗による皮膚のトラブルにご注意ください。衣服で露出部位を減らしたり、日焼け止めや帽子、日傘などを正しく使って日光に当たりすぎないようにしましょう。汗はアトピー性皮膚炎の悪化因子の一つに挙げられますし、金属アレルギーの症状を誘発しますが、汗自体は良い働きもありますので、シャワーを浴びたり、おしぼりで汗を拭うなどして汗が長く皮膚に残らないように気をつけましょう。この時期明らかな乾燥肌が見られない子どもさんがスキンケアとして保湿剤を使いすぎますとあせもが出やすくなりますので注意しましょう。
〇イネ科の花粉症の方は症状が目立つ時期ですので、特にフルーツなどを食べてのどに違和感を感じる方は一度検査をして調べてみてください。
〇少し前になりますが、ある患者さんが手のひらだけに皮疹がみられて受診されました。鑑別診断として汗疱(かんぽう)、接触皮膚炎(かぶれ)などを一通り説明しましたが、患者さん自身は梅毒を心配していました。感染(の可能性のある)機会から数か月経過しており、日数的にはあり得ましたが、ばら疹などの他の2期疹が見られなかったことなどとあわせてその時の皮膚症状からその場で否定しました。ところが、陰部にみられる1期疹についてはきちんと問診していなかったのであったかどうかは分かりません。その後再診がなかったので梅毒ではなかったのだろうと思いつつも、昨今の梅毒患者数の増加を鑑みてひょっとしてと思ったりもしました。問診については先入観や思い込みにとらわれずに念には念を入れて丁寧に聞く必要がありますし(実際にはきちんとできているとは言えませんが)、良くならなかったり、何か問題があった時にきちんと再診していただけるように十分に説明をしておく必要があると再認識させられました。
(蛇足)初診患者さんから予約のお問い合わせを受けることが多いのですが、当クリニックは(初診患者さんの)予約診療はしていません。一方で定期的に通院され(てい)る再診患者さんを対象に土曜日以外は予約を受け付けておりますが、実際に予約される方は今のところいらっしゃいません。あまり周知されていないこともありますが、定期的に通院していただいている患者さんは予約して時間を調整しながら慌ただしく来られるよりも空き時間に自由に受診できるほうが良いのかもしれません。予約のお問い合わせの際に多くの方に普段の外来の混雑具合を聞かれますが、天候や(季節性、感染性の)疾患のはやり具合、他の皮膚科の混み具合の影響を受けて外来の混雑度は変わってきます(概ねのんびりしています)。極端に暑い日、寒い日、雨風の強い日には初診、再診いずれの患者さんも少なくなりがちですが、アウトドアシーズンになると皮膚のトラブルも多くなり初診の患者さんが時間帯(土曜日やお休み明け、学校・仕事終わりの時間など)によっては集中しがちです。近隣の皮膚科が混んでいる時(中には二時間半待ちもあり)には診療を比較的遅くまでしているため終了時間間際に駆け込みで来られたり、土曜日にはいつもの皮膚科で予約をとれずに仕方なくこちらに来られる患者さんも少なからずいらっしゃいます。このような状況で他医から来られる患者さんにつきましては十分に診察時間がとれませんし、その後短期間で再診される(続けて通院される)こともほとんどありませんので、定期的に通院していただいている患者さんとは異なる対応になってしまいますことをお含みおきください。また同じ症状で当クリニック以外の皮膚科を受診されている(のが分かる)場合には基本的には他医がメインであることが多いのでそちらで治療を継続されることをお勧めしています。尚、それでも不定期に当クリニックを再診いただく場合もありますが、説明や治療(方針)が異なる可能性がありますので患者さん(親御さん)からはっきりとしたご要望・意思表示(セカンドオピニオン、主治医依頼など)が無ければこちらから積極的に対応(説明)させていただくことはありませんのでご了承ください。
2024/7/11