アトピー便り

アトピー便り102:治療?スキンケア!

少し前の話ですが、顔の湿しんでコレクチム(0.25%)®軟膏、お尻の湿しんにステロイド外用剤、抗ヒスタミン剤内服を処方した子どもさんが約1年ぶりに2回目の受診をされました。今回は特別な湿しんはなく、お母さんが保湿剤のみ希望されました。当クリニックでの2回の受診の間は別の小児科でワセリン、ヒルドイド®を大量に処方されていました。一度は治療をしていたこともあり、今回のみ保湿剤を処方しました。保険診療では皮疹がなく、保湿剤だけの処方を続けることはできないことを説明させていただきました。
軽いアトピー性皮膚炎の場合でも通常は弱いステロイドやプロトピック®軟膏やコレクチム®軟膏などを一時的に繰り返し使用することが多く、保湿剤だけで済むことはほとんどありません。実際にすでに湿しんがあるにもかかわらず、「保湿剤だけでは乾燥肌が良くならない」と言われる患者さんが数多くいらっしゃいます。これらはステロイド忌避に伴う保湿剤の偏好によりますが、症状がひどくなってから受診されるケースが後を絶ちません。一度症状がひどくなりますと、強いステロイドを広範囲に使わなければなりませんが、ひどくならないうちに適切に早めにステロイドを外用すればその使用量も少なく抑えられます。
長期間にわたって保湿剤だけで済む(湿しんなどの症状が見られない)のであれば、すでにアトピー性皮膚炎が寛解した可能性が高く、その場合は薬局で市販されている保湿剤だけを使用するので構いません。一方で一度治っていたアトピー性皮膚炎が再発することはめずらしくありませんので、乾燥肌だけでなく、かゆみが強くなったり、湿しんなど少しでも変化があればためらわず早めにかかりつけの皮膚科を受診してください。

2023/2/13

 


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