〇診療時間は、患者さんから症状の経過や背景を聞く問診の時間、患者さんの皮疹を診たり、触ったりして症状を把握する診察時間、医師から病状や原因・注意事項を説明する時間、患者さんからの質問・疑問にお答えする時間から成ります。特にアトピー診療では問診に要する時間が患者さんによって大きく変わりますし、診察時間も重症な方ほど時間がかかります。さらに検査を行なう場合にはその説明時間も必要となります。
〇初診のアトピー患者さんにはひと通りこれらに時間を費やしますので、通常初診患者さんではそれなりに時間がかかることが多いのですが、外来が混み合っている時や症状が軽い患者さん(さらには外来終了時間ギリギリの駆け込み患者さん)にはどうしても説明する時間は短くなりがちですし、十分に患者さんからの質問・疑問にお答えする時間がとれない場合もあります。一方、再診患者さんについては診察時間が中心となりますので、経過が順調であれば診療時間も短くなり、アトピーの子どもさんに診療終了時に「はやっ」と言われることもあります。
〇初診時でも症状の軽いアトピー性皮膚炎の患者さんでは通常細かく説明をすることはなく、お薬を処方するだけで経過を観る場合もありますが、逆に経過が良くなければ再診時にその都度治療がちゃんとできているかどうか、悪化因子の話をしたり、そのための検査のことを説明したり、お薬の塗り方、保湿剤の使用についても説明したりしますので初診時以上に診療時間が長くなることもめずらしくありません。
〇ところで、何か月も間隔を空けて再診されるたびに「良くなりません」「悪くなりました」と言われる患者さんが時々いらっしゃいますが、先述のような再診時の対応がほとんどの場合できていません。多くのアトピー患者さんは単回の治療で完治することはありませんので、特に重症の場合や患者さん自身が治療の効果がないと思われる場合には数日~1週間程度で再診していただければと思います。
〇アトピー性皮膚炎の患者さんは、「完治させたい」「原因を知りたい」「ステロイドを使いたくない」「今後の見通しを知りたい」「セカンドオピニオンで受診した」など受診動機がいろいろあるにもかかわらず、診療する皮膚科医に伝わらない(言いにくい)ことも多いと思います。また、一度にいろいろ質問をされたいという患者さんも数多くいらっしゃいます。当クリニックではアトピー性皮膚炎の患者さんの割合が非常に多いこともあり、アトピー患者さん用の問診票をあらかじめ別途ご用意しておりますので初診、再診を問わずアトピー性皮膚炎で受診される際は(窓口でお申し出いただいて)ご活用ください。一度受診いただくと(問診票を含めて)診療内容[お話した内容]はその都度カルテに記録していきますので、数多くご質問されたい患者さんは再診の際何回かに分けてご質問いただければと思います。概ね症状に比例してお話することは多くなり、診療時間も長くなりますが、軽症の方でも詳しくいろいろお話を聞かれたいアトピー患者さんは、(予約制でない皮膚科の外来は季節的な変動が激しいので、夏場や連休前後の繁忙期を除いて)冬場などの外来ののんびりした時期を見計らって受診されることをお勧めします。当クリニックを受診されるアトピー患者さんで詳しくいろいろ説明を聞かれたい場合には先述のアトピー問診票がお役に立ちますので是非ご利用ください。
2019/1/9