この週末日本アレルギー学会春季臨床大会に出席してきました。アトピー性皮膚炎についての会に三つ出席しましたが、大変勉強になりました。どの会も主に皮膚科医と小児科医の出席のもと盛況でしたが、小児科の講師の先生が小児の食物アレルギーの関与するアトピー性皮膚炎に関していろいろなデータを示しながら、「皮疹を治すと食物アレルギーは治る(もちろん全例に当てはまるわけではない旨も補足はされていましたが)」と発表されていたのが特に印象に残りました。同じ先生の発表で、小児のアトピー性皮膚炎でも痒疹(硬いもりあがった皮疹)の治療には非常に強いステロイドの外用薬を1~2週間、症状のひどい場合には2か月連日外用させるとのことで皮膚科医以上の積極的な治療には学ぶところが多くありました。
ステロイドの外用療法については、先述の内容以外にも乾燥肌、ならびに軽い湿しんの症状において皮疹を正しく見極めて、ステロイドをどのように使うか、症状がいったん良くなってからは一度ステロイドを止めて皮疹のでたところに治療を行なうリアクティブ療法ではなく、良くなってからも週に何回か皮疹のあったところに外用を続けることで良い状態を保つリアクティブ療法を、といった点がとても参考になりました。詳細については診療の現場で患者さんにはいろいろお話する機会もあるかと思います。おおむねそれなりに実践してきたつもりのことではありましたが、まだまだ不十分といったところで、これからの診療に役立てていこうと思っています。
2013/5/13